トリコモナス・アメーバ赤痢の治療薬とは

トリコモナスやアメーバ赤痢は、それぞれ原虫に感染することによって発症する性感染症です。
アメーバ赤痢で症状が軽い場合には、対症療法といってあらわれた症状を軽減することで自然治癒力を向上させて、治癒を促進する方法で済むこともあります。

しかしトリコモナスに感染した、アメーバ赤痢の症状が悪化してきた場合には体内から原虫を除去する必要があります。
そのまま放置していては、症状が悪化して周囲への感染も拡大させてしまう危険性もあるのです。それぞれの原虫を駆除するには、薬物療法しかありません。

膣トリコモナスに対する治療薬は、メトロニダゾールやチニダゾールが有効成分の内服薬です。この成分はアメーバ赤痢の治療薬に用いられる場合もあります。

ほかにも、レボフロキサシンやアンピシリン・ミノサイクリンなどが有効成分の内服薬はアメーバ赤痢の治療薬として使用されることがあります。

共通している治療薬の有効成分について

有効成分の働き

メトロニダゾールという一般名で処方薬として用いられることやフラジールという製品名で処方される場合もあるのです。
フラジールは1961年に日本で販売が始まってから、いろいろな効果が追加されて、50年以上たった今でもトリコモナス症の治療薬として初めに処方されます。

そしてアメーバ赤痢に対しても、メトロニダゾールは初めに処方される治療薬なのです。

また、もう1つのトリコモナス症に有効なチニダゾールも同様で、アメーバ赤痢に対する治療効果が期待できます。
メトロニダゾールもチニダゾールも内服薬だけではなく、膣錠もあるのでトリコモナス症が悪化して膣の炎症を引き起こした際には、膣内で直接作用することも可能なのです。

同様の効果を持っていることから、チニダゾールもトリコモナス治療薬として病院から初めに処方される場合もあります。

トリコモナス・アメーバ赤痢治療薬の効果

いろいろな治療薬

トリコモナス症もアメーバ赤痢も原虫を体内から排除することが、少しでも早く治す方法です。そのためにも、治療薬の服用を早急に行いましょう。

それぞれの治療薬の効果・特徴を知ったうえで使用することが大切です。

トリコモナス治療薬の効果

トリコモナス症を治療するためには、原因となるトリコモナス原虫(別名チツホネマクムシ)という寄生虫を体内から除去しなければいけません。

治療薬に用いられているメトロニダゾールやチニダゾールは、体内でDNA合成を阻害する働きから抗原虫・抗菌作用をもつことが分かります。
さらにこうした反応のなかで、フリーラジカルが生成されて微生物のDNAに影響し、機能障害を引き起こすのです。

これらの作用から原虫や細菌に感染した、細胞またはその遺伝子の増殖を抑制してくれるので症状を改善しながら、トリコモナス原虫を体内から除去することができます。

アメーバ赤痢治療薬の効果

アメーバ赤痢を治療するためには、原因となる赤痢アメーバという寄生虫を体内から除去しなければいけません。

抗原虫・抗菌作用をもつメトロニダゾールやチニダゾールは、トリコモナス治療のほかにアメーバ赤痢の薬として同じような治療効果が期待できます。

レボフロキサシンやアンピシリン・ミノサイクリンは、細菌の増殖や複製を阻害する働きを持つ抗生物質です。そのため軽症の場合などに、利用できる治療薬といえます。

細菌性赤痢とアメーバ赤痢はとても似ている症状ですが、病原菌が細菌か寄生虫という大きな違いがあるので、症状や原因菌をきちんと確認をしたうえで治療することが大切です。

トリコモナス・アメーバ赤痢治療薬の副作用

治療薬の副作用

メトロニダゾールやチニダゾール、レボフロキサシンが有効成分の治療薬は比較的副作用は少ないとされています。しかし稀に重い副作用があらわれる場合もあるので注意は必要です。

また、ミノサイクリンが有効成分の治療薬は吐き気や胃の不快感、頭痛やめまいも報告があります。
アンピシリンが有効成分の治療薬は、軟便や下痢になりやすいとされているのです。

このように有効成分によって副作用もさまざまです。

メトロニダゾール

比較的副作用は少ないですが、食欲不振や吐き気・胃の不快感が症状として報告されています。
腹痛や血便・頻度の多い下痢が続く場合は要注意です。症状がひどいときは、早めに病院を受診してください。

重い副作用は滅多にありませんが、過剰もしくは長期服用の際には中枢神経や末梢神経に障害を起こしてしまう可能性があります。

手足のしびれやピリピリ感・ふらつき・ろれつが回らない・意識障害・痙攣発作などの症状を引き起こす可能性もごく稀にあります。

チニダゾール

メトロニダゾール同様に副作用は少ない方ですが、胃の不快感や吐き気・食欲不振の報告があります。ひどい症状を感じた場合は、すぐに病院を受診してください。

重い副作用はほぼ起こらないとされていますが、類似薬の長期服用などによって脳の異常や末梢神経障害が引き起こされたという報告があります。

手足のピリピリ感やしびれなどの症状は、重い症状の前兆の可能性があるので注意しましょう。
もともと痙攣を起こしやすい方は、痙攣発作が誘発される危険性もあるので服用は控えることをおすすめします。

レボフロキサシン

副作用は少ないですが、発疹や下痢が続いてしまうときには服用をすぐに中止し、病院を受診してください。

また特徴的な副作用として、光線過敏症である日光での皮膚の赤みや酷いときは水ぶくれなどを引き起こす可能性があります。
皮膚が弱い方や長期的に服用する場合は、直射日光をできるだけ避けることをオススメします。

特異で滅多に無い症状ですが、痙攣とアキレス腱障害が報告されています。ほか、横紋筋融解症や不整脈、低血糖もごく稀にあるとされているので、高齢の人や腎臓の悪い方は注意が必要です。

ミノサイクリン

胃の不快感や吐き気・めまい・頭痛は比較的多いとされる副作用です。ひどい場合は病院を受診した上で、以降の服用量を減らすなど工夫しましょう。

長期的な服用をした時と高齢の方が服用した場合、手足にあざのような色素沈着を引き起こす可能性があります。

小学生以下のお子様が服用した場合は、歯が黄色に変色するなどして歯に良くない影響があらわれてしまう可能性があるのです。

重い症状があらわれることは少ないですが、重いアレルギーやショック症状・皮膚障害・肝障害などに注意しましょう。

アンピシリン

服用後は下痢の症状が多く、特に小さなお子様は軟便を引き起こしやすいのです。これは抗菌作用によって腸内細菌のバランスが乱れがちになるので、軟便程度は心配ありません。

ただし酷い症状や血便・発疹・発熱・重いアレルギー症状・蕁麻疹などが引き起こされた場合には、病院を受診してください。

きわめて稀ですが、大腸炎・腎不全・皮膚障害・血液障害の報告もあるので、高齢の方や長期服用時には注意しましょう。

薬の効き目が切れると同時に、副作用もなくなることがほとんどです。
もし薬の作用が切れているにも関わらず、副作用の症状が続いたり悪化した場合にはなるべく早く病院を受診しましょう。

トリコモナス・アメーバ赤痢治療薬の使い方

トリコモナス症の治療期間は、7~10日前後。治療期間中は、患部に菌が潜んでいる可能性があるので性行為や感染を拡大させてしまう可能性のある大浴場の利用などを控えましょう。

アメーバ赤痢の治療期間も約10日前後必要で、2~3ヵ月は安静にして様子を見ます。

治療薬名 用法・用量
メトロニダゾール
(※アメーバ赤痢の場合)
250mgを1日2回×10日間
(500mgを1日3回×10日間)
チニダゾール 500mg錠×4錠を1回だけ
レボフロキサシン 500mg×2錠を1日1回
ミノサイクリン 100~200mgを1日1~2回
アンピシリン 250~500mgを1日4~6回服用

トリコモナス症もアメーバ赤痢も治療後の検査をして、しっかり体内から病原体が除去できたことが確認できれば完治したといえるのです。

トリコモナス・アメーバ赤痢治療薬の種類

トリコモナス症やアメーバ赤痢の治療薬は、いろいろあるうえに効果や副作用には個人差があるので、代表的な種類の特徴を知っておくことがおすすめです。

フラジール

フラジールの有効成分には殺虫・殺菌作用があるので、体内から原虫や細菌を除去する働きを持っています。
トリコモナス症に対する抗菌薬として厚生労働省の認可を受けている、高い効果と安全性がある治療薬です。

有効成分であるメトロニダゾールは体内への吸収が良く、内服薬でありながら腸で吸収されるので静脈注射とほぼ同じ効果を得ることができます。

ファシジン

ファシジンはチニダゾールが有効成分となる、抗生物質でトリコモナス症の治療に用いられるハイシジンのジェネリック品です。ハイシジンはフラジール同様にトリコモナス症の第一選択薬として医療機関でも利用されています。

細菌のDNAを分断する働きを持つので、細菌の増殖抑制と同時に死滅させてくれます。即効性が高いので短期間で治療したい方におすすめです。

ミノマイシン

ミノマイシンは多くの感染症などに用いられる、万能型の抗生物質で赤痢菌にも効果が期待できます。
ミノサイクリンが有効成分となっていて、テトラサイクリン系では最も抗菌作用が強い抗生物質です。

細菌の増殖に必要なタンパク質の阻害をするので、増殖を抑制することで徐々に死滅させることができます。
殺菌作用はありませんが、他の細胞にまで影響が出る恐れもないので安全性の高い抗生物質です。

ミノマイシンジェネリック

ミノマイシンジェネリックは安全性の高い、万能型の抗生物質ミノマイシンのジェネリック品です。
病原体となる細菌の増殖を抑えて死滅させることで、腫れや赤みを軽減できます。

皮膚科ではニキビ治療薬として処方されているので、知名度が高い治療薬です。赤痢菌にも効果はあり、化膿止めとしても利用されています。

クラビット・ジェネリック

クラビット・ジェネリックは淋病やクラミジアなどに、効果があることから性感染症の治療薬として広く利用されています。

赤痢菌を含めた、さまざまな病原菌を死滅させる効果を持っている上に、即効性もあるのです。

また医療機関での処方薬として用いられていることから、安全性と安さの両方を兼ね備えている医薬品です。

レボフロックス

レボクイン同様、レボフロックスはクラビットのジェネリック品なので、性感染症の治療薬に用いられる抗生物質です。
ニューキノロン系の抗菌剤であることから、ペニシリン系やセフェム系にアレルギーがある方でも利用できます

赤痢菌を含む細菌の増殖を防ぐので、いろいろなタイプの細菌が原因となる感染症に対して効果を発揮します。
ただ薬の排泄が遅れがちになりやすい高齢の方や腎臓の悪い方は服用の際、念の為注意することがおすすめです。

ビクシリン・ジェネリック

ビクシリン・ジェネリックはペニシリン系の抗生物質で、性感染症の治療薬として用いられています。
細菌の細胞壁を壊すことで細菌は状態を維持できなくなるので、死滅させる効果が期待できます。

梅毒や淋病の原因菌のほかに、赤痢菌やインフルエンザ菌・大腸菌などにも効果を発揮するさまざまな感染症の治療薬です。

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