糖尿病について

糖尿病は年々増加傾向にある生活習慣病です。
厚生労働省の調べによると、「糖尿病が強く疑われる」成人の数は2016年で1000万人と推定され、1997年の調査開始以降、確実に増加しているとされています。
しかもその数のうち、76.6%は糖尿病であることに気づいていない人か気づいていても治療を放置している人だそうです。

糖尿病は適切に治療を行わないとどんどん悪化していき、さまざまな合併症を引き起こしてしまいます。
「糖尿病」という言葉の認知度は高い一方で、糖尿病が具体的にどんな病気なのか、その原因や治療法、予防法を知っている人はそれほど多くありません。

「私は大丈夫」と考えている人の中にも、適切な検査を行っていないだけであって糖尿病が進行している方がいます。
糖尿病の発症リスクを抑えたり予防したりするには、一人ひとりが糖尿病という病気をしっかり認知していることが重要です。

糖尿病とは

糖尿病とは

私たちの身体は、ごはんやパンなどの炭水化物に含まれるブドウ糖をエネルギーに変換して脳や内臓、筋肉の働きを維持しています。

食事から摂取されて血液中に取り込まれたブドウ糖は「血糖」と呼ばれています。
食事をした後は血糖値が一時的に高まるのですが、健康な人ではインスリンという膵臓で作られるホルモンの働きによって血糖値がコントロールされています。

食事によって血糖値が上がると、インスリンが分泌されてその働きによって臓器が血糖を取り込んでエネルギーに変換したり体内の脂肪細胞に取り込んで蓄えたりします。

インスリンの分泌量が少なかったりうまく働いていなかったりすると、血糖血が高い状態が続き、これを糖尿病と呼びます。

糖尿病の原因

糖尿病は生活習慣が悪いがために発病する病気だと思っている方が多いのですが、原因はそれだけではありません。
糖尿病の原因は大きくわけて4つあります:

1型糖尿病

1型糖尿病は自己免疫疾患を基礎とする疾患で、体の自己免疫システムが誤ってインスリンを出す細胞(β細胞)を壊してしまうという病気です。
β細胞が破壊されることでインスリンが欠乏することで血糖値が高い状態に陥ります。

糖尿病と聴くと不摂生な生活や怠惰な生活が招く病気というイメージを持つ人が多く、1型糖尿病という病気の存在や原因についての認知度は比較的低いのが現状です。

世界の糖尿病患者の5%ほどが1型糖尿病だと言われており、子供や若い人に多く見られます。

なぜβ細胞が破壊されてしまうのかという点はいまだ明らかになっていませんが、1型糖尿病の約9割が自己免疫性(1A型)、残り1割が特発性(1B型、原因不明)とされています。

2型糖尿病

糖尿病患者の95%が2型であると言われており、発症する時期は主に中高年です。
2型糖尿病ではインスリンの分泌は正常に行われているものの、働きが低下しているがために血糖値が下がらないというのが特徴的です。

2型糖尿病は運動不足や肥満、ストレスなどの生活習慣の悪さから発病し、生活習慣病のひとつになっています。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中に発症した糖代謝異常のことを指します。
ただし、妊娠する前から糖尿病にかかっている場合は妊娠糖尿病と呼びません。

妊娠糖尿病は妊娠中のみ血糖値が異常に上昇する症状なのですが、発症すると将来2型糖尿病にかかるリスクが高まると言われています。

糖尿病の兆候と症状

暴飲暴食をする男性

血糖値が高い状況が続いてもほとんど兆候が見られないので、気づかないうちに症状が悪化していることが多いようです。
また、糖尿病を発症していると下記のような症状が現れますが、それでも糖尿病と気づくのが遅れるケースも多々あります:

・多尿・口渇・・・糖尿病にかかっていると腎臓機能が低下するため、トイレが近くなったり口が乾きやすかったりします。

・体重減少・・・インスリンが血中のブドウ糖をうまく処理できていないと、エネルギーに変換されずに急に体重が落ちてしまうことがあります。

・疲れやすい・・・インスリンの働きが低下するとブドウ糖がエネルギーに変換されにくくなることから、疲労を感じやすくなります。

糖尿病の兆候と症状

国際糖尿病連合(IDF)によると、2017年の成人(20~79歳の)の糖尿病有病率は8.8%で、11人に1人が糖尿病であるという計算になります。

なかでも中国やインド、米国など総人口が多い国で糖尿病患者が多くみられます。
日本は2017年の上位10カ国には入っていないものの、2015年の調査では9位にランクインしており、2017年の65歳以上の患者数ランキングにおいては6位となっており、決して安心できる状態ではありません。

世界的に見ると日本の糖尿病患者数はあまり多くないように見えるのですが、実際は年々増加傾向にあります。

日本人の糖尿病患者数の増加には色々な要因があるのですが、もともと農耕民族だったため、インスリンの分泌量が欧米人の半分以下といわれています。

日本人のインスリンの分泌量

インスリンの分泌量が少ないと血糖値をうまくコントロールすることができないので、糖尿病になるリスクが高まります。

合併症

糖尿病を治療せずに放置しておくと、恐ろしい合併症を引き起こすことがあります。
糖尿病特有の3大合併症(細小血管合併症)は神経の障害、目の障害、腎臓の障害とされており、最近では心臓病や脳卒中の原因となる動脈硬化をも引き起こすと言われています。

糖尿病の3大合併症はそれぞれの頭文字をとって「しめじ」と覚えられていますが、脳卒中と心臓発作も加えて「しめじの心臓」と覚えると良いでしょう。

糖尿病の合併症

糖尿病の検査・診断

糖尿病はある日突然診断されるというわけではなく、血糖値を調べる機会がなかったり、血糖値が高いと指摘されていたにも関わらず何もしていなかったりすると、いつの間にか発症していたというケースが多いようです。

糖尿病の発症を防ぐには、定期的に健康診断を受けることが大切です。

糖尿病の検査では血液検査が行われ、血糖値とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー、過去1、2か月分の血糖値のあらましを反映した値)が基準値より高いかどうかで診断されます。

糖尿病の可能性が高いと思われる人には、糖尿病をより確実に診断できる「75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)」という検査方法が使用されることが多いでしょう。

血糖値の検査では、空腹時の血糖値と食後2時間の血糖値を計測して判断されます。

基準値:空腹時血糖…70~109mg/dl
食後2時間血糖…140mg/dl未満

糖尿病の診断方法

「境界型」といっても「糖尿病型」ではないから安心とは言えず、境界型の人が今のような生活を続けていくと、将来糖尿病になる可能性が高いでしょう。

「正常型」に入っているから大丈夫だと安心するのも危険で、加齢や生活習慣の悪化とともに血糖値は上昇しやすくなるので、健康的なライフスタイルを維持し、定期的に健康診断を受けるようにすることが大切です。

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